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(2006/06/ 1  子育て支援・教育)

■「時代に合った教育の理念・原則」

 6 月 18 日までが通常国会の会期です。会期末となり、延長するのか、どの法律を諦めるのかといったことがらが話題となってきます。この中で 5 月末より衆院で本格審議に入った教育基本法改正案は今国会で是非仕上げたい法律だと私は思っています。

 現在の教育基本法は、 11 条からなる条文の少ない法律です。昭和 22 年の制定以来、社会環境が大きく変わっているにも関わらず、 60 年近く改正されていないので、ここで改めて今の時代に合った教育の理念、原則を明確にするため改正の議論がされています。

 

■ 改正案の重要なポイント

 今議論されている改正案だと 18 条となりいくつかの新しい視点が追加されています。
「 21 世紀を切り拓く心豊かでたくましい日本人の育成」を目指し、今回の改正案では「人格の形成」と「国家・社会の形成者として心身ともに健康な国民の育成」を教育の目的としています。
 教育の目標として、幅広い知識・教養、豊かな情操、道徳心、健やかな身体をはじめとして、公共の精神や生命・自然の尊重、環境の保全と環境教育に触れたり、伝統文化の尊重と我が国と郷土を愛すること、他国の尊重なども盛り込まれています。
 ここからもう一つ具体的になる、今日必要と考えられる教育の基本事項が私は特に大切だと思います。
 今までの基本法にあった「義務教育」( 5 条)、「学校教育」( 6 条)、「社会教育」( 12 条)、「政治教育」( 14 条)、「宗教教育」( 15 条)に加え、この 60 年の中で追加が必要になった「大学」( 7 条)、「私立学校」( 8 条)、「教員」( 9 条)、「家庭教育」( 10 条)、「幼児期の教育」( 11 条)、「学校、家庭、地域の連携」などの項目が新しく書き込まれました。
 また「生涯学習」( 3 条)という理念も条文で挙げられました。教育基本法の改正案というと与党合意の時に焦点となった、愛国心、宗教的情操の涵養、不当な支配という三点ばかりが強調されますが今述べてきたように多くの新しい点を盛り込んでいるので是非皆様にはその事を知っていただきたいと思います。特にその中でも私は「家庭教育」( 10 条)、「幼児期の教育」( 11 条)を条項に立てて明記したことは意味があると思います。学校での教育とは質が違いますが、家庭教育は絶対に大切です。特に、小さな時に家族に愛されること、また家族に愛されて絶対安心という環境で育つことは、その後の人生において大きなエネルギーになると私は思うのです。愛されることを知っている子は、精神的に落ち着き、粘り強くなると私は感じています。子供に社会のルールを教え込むのが家庭の役割。学校は集団生活を通して実践で肌身を通して実感するところではないでしょうか?この過程を経て初めて文部科学省が推奨する"生きる力"を得ることができるのではないかと思います。
 また今回、学校、家庭、地域社会の相互の連携協力が初めて謳われました。私は常々地域社会の教育における役割を再評価すべきだとの自論をもっておりましたが改正案では 13 条に書かれています。これもGHQの占領下では、あえて外された点であろうと思います。
 そして私個人としては、教育の目標に"環境"の考え方が入ったことを評価したいと思います。欲を言えば、「環境教育」として一条立てて生態系という言葉も欲しかったところではありますが...。この考え方も公害問題を経て、地球温暖化をはじめとする環境問題の課題に直面している今だからこそ入ってくる点でしょう。

 

■ 今国会で成立を目指す

 今回逆に改正案を不安に思っている人達もいます。「愛国心の言葉のもとに子供達を戦争に送るな」というお手紙をいただきました。私達は決してそのような思いをもって改正案を議論しているのではありません。「法律的用語としてそぐわない」という理由だけで、法制局に却下された祖国愛という言葉(「国家の品格」の藤原正彦先生が提案されている)など偏狭なナショナリズムを感じさせずいいのではないかと思っているところです。現在の教育基本法の不足を補い、良きはしっかり今後も引き継いでいくことが今何より必要ではないでしょうか。皆様の理解をいただいて是非とも今国会で成立させたいと思っているところです。

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プロフィール さかい学

昭和40年9月4日生まれ44歳。
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