■ これまでの社会保険庁の問題点
今年の 5 月に、保険料免除手続きを本人の意思によるものではなく社会保険事務所で勝手に行うという不正が発覚しました。それからの一連の報道の中で、大変強い憤りを感じざるを得ませんでた。
その理由の1つは、この不正な手続きをして、未納率の数字を変えることを全く悪いことだと考えていない点です。似た事件が約 2 年前にもありました。年金事務を行うので大量の個人情報のデータベースが社会保険庁のはありますがそのデータベースを目的外で閲覧し、しかもマスコミにその情報を売った人間がいて、未納問題で大変な騒ぎになった事件です。
平成 16 年になってからの 1 年の調査でも、何と 1574 人の人間が目的外閲覧をしていたと発表されています。個人情報保護を先頭に立って守っていかなければならないはずの国家公務員が目的外閲覧を悪いことだと認識せずに行っていたということになります。今回の不正手続きと同じで、コンプライアンスは社会保険庁にはないと言っても過言ではありません。
また、 2 つめは唖然とするほどの自浄能力の低さです。 2 年前の事件の調査の際も目的外閲覧をした 1574 人のうち、自ら申告した者は 699 人で、自分は見ていないと虚偽の申告をした者が 875 人で 55 %超にもなりました。磁気カードの履歴を調べて、ようやく 1574 人という数字が確定したのです。そこで、再発防止策として①職員の意識の啓発、②管理・監視の徹底、③人事政策への反映などをあげ、刷新をはかるとしました。がしかし、今年 5 月の不正手続きの件では、全く改善されていないことがわかりました。
今回の不正手続きの件では、 2 月に内部調査が行われています。京都からの申請があまりにも多いというのがその理由でした。結果は全国で不正がゼロということでしたが、新聞報道では合計 27 余万件の 1 つ 1 つを調べた結果、全国 36 都道府県で 21 万件以上の不正が見つかったと言われています。どこがゼロなのか。中には、村瀬長官が 2 月に視察に来るというので 1 月 30 日、 31 日の両日に集中して不正手続きを行い、 1 月分の数字を確定させると 2 月 1 日、 2 日で早速に解除するという絶対的確信犯の事務所もありましたが、内部調査では不正ゼロ。 2 年前の反省が全くされていないことを身をもって証明してくれました。
■ 効果的な組織の改変を目指す
こうなっては徹底的にこの組織を変えていくしかありません。今まで数値的に目標さえないといった風土の中で生きてきた組織ですから民間の企業の知恵と緊張感が必要です。
今度の国会で私達が提出した法案では社会保険庁を解体し"ねんきん事業機構"を設立することとしています。
今まで自治労と社会保険事務所との間で、「 OA 機器が入り仕事が減っても決して人は減らさない」という信じられない約束があり人がダブっていましたが29000 人から 1 万人ほど人員を減らしていきます。
またサービスという観点を徹底させ、われわれが少しでも保険料を納めやすくする数多くの努力をさせます。カードでの支払いとか、健康保険とリンクさせるなどというアイディアが出ています。また滞納者に対する催促もしっかり行っていくようになりますし、批判のあった福祉施設規定も見直してまいります。
緊張感という点では、「年金運営会議」、「特別監査官」という外部専門家の登用の場を作り、意思決定や監査機能を強化させた上で民間企業や他省庁からも専門的人材を受け入れることにしております。
これらを包括的に定めているのが"社会保険庁解体法案"であり、今までの雰囲気を断ち切った新しい組織にしていきたいと考えています。
