改めてなるほど、と思うと同時に単に感心するだけではなく、様々な場面で品格ある国家、社会を目指すために努力を実践していかねばと思いました。しかし 最近「国家の品格」の思想と真っ向から対立する大変嘆かわしい事実が改めて議論になっています。
支払う能力があるにも関わらず「給食費の不払い」の問題です。しかも、これは給食費だけにとどまらず修学旅行の積立金や教材費等にまで同じ現象が及んでいるというのです。たとえ親が給食費を払わなくても子どもが学校で給食を食べられないことはないし、修学旅行費を積立てしなくても修学旅行は休めばよいし、払わなくても状況は一緒なのだから払うのは損だ、という思考になっていると言われています。
■ 横浜の現状
横浜市の調査によると横浜の現状は以下の通りです。
【横浜市 教育委員会健康教育課 の調査 】
◎平成 14 年度の給食費未納状況(通年の合計)
戸塚区 115 名( 0.86% ) 2,466,000 円
泉区 119 名( 1.37% ) 2,479,000 円
瀬谷区 152 名( 2.18% ) 3,523,000 円
横浜市全体 1,793 名( 1.00% ) 40,635,000 円
◎平成 18 年度 1 学期のみの給食費未納状況
戸塚区 354 名( 2.47% ) 3,267,000 円
泉区 408 名( 4.48% ) 2,757,000 円
瀬谷区 368 名( 4.77% ) 2,975,000 円
横浜市全体 6,500 名( 3.39% ) 56,445,000 円
※上記の人数は 1ヶ月以上の未納がある児童数と合計未納金額
■ 全国的な問題に
平成18年度では 1学期だけなので同じ割合で推移するとなると倍の額となり1億円を超える未納金となる可能性があります。割合で3倍以上、額も3倍弱増加します。
他の都市でも同様の現状です。例えば広島県の呉市では未払いの保護者の勤務先から給料の一部を差し押さえる強制執行に踏み切りました。呉市でも滞納額の総額が200万円にのぼっているそうです。
宇都宮市でも宇都宮簡易裁判所から支払い督促を受けた滞納保護者40人の内16人は未納で仮執行宣言の申し立てを行う予定だそうです。こちらも総額約260万円。
宮崎市でも小額訴訟を起こすなど、全国的に問題となっています。それぞれ現場の先生が対応したり、給食の質を落として未納分をカバーしたり、少なからず具体的な悪影響が出ています。この事態を受けて全国の状況調査を文部科学省が初めて検討しています。
私は給食費不払いの思考が拡がりを持つということが残念でなりません。日本には"お天道さまが見ている"という感覚があります。たとえ誰に見つかることがない、物理的にダメージを受けることがないことが明らかであっても、今までの道徳や倫理に照らし間違っていると思えば行わず、我慢することができました。人は見ていなくても神様は、お天道さまは見てるよ。自分の心まではごまかせないよ、という考えでした。今、その感覚が希薄になってきました。給食費は払うという約束事であっても"自分の得"を優先させてデメリットがないから払わないというのは、品格の点から見て残念です。
この給食費の不払いの問題に関して言えば、横浜市は学校が保護者に督促状を出しています。また就学援助費受給者や生活保護を受けている人はそこから給食費を学校に支給するようにしています。そして支払いの厳しい家庭には無利子の貸付制度もありますが、平成17年度の利用者は36人。ここから見ても支払い困難な人は逆に生活保護などの制度によって支払いをしていることがわかります。
今、逆に不払いが増えているから、無料化したらどうかという意見が出ていますが、私は反対です。自分が受けたサービスの対価は払うということを覚えるのも子どもたちには教育です。また小さな政府を目指すという行政改革の流れと完全に逆行します。
子どもたちの教育の場において、給食費を払わなくてもすむから払わないという考え方が、子どもたちに良い影響を与えるはずがありません。モラルの低下が叫ばれる中、こういう保護者の側からできることを、しっかりしていかなければなりません。
給食費不払いをストップさせることに 、私は 声をあげていきたいと思います。
