■能登半島地震を教訓に
3月25日に発生した能登半島地震に対し、 自民党は25日午前10時、幹事長室に対策本部を設置、政府も 溝手顕正防災担当大臣をただちに現地に派遣すると発表しました。その後、 安倍晋三首相が 4月13日に被災地を視察し、激甚災害に指定することを閣議決定する方針を明らかにし、今回の指定について「局地の災害としては最速になると思う」と語りました。
激甚災害に指定されると、災害復旧に要する費用が中央防災会議の定めた基準を超えている場合、復旧事業への国庫補助率を1割から2割程度引き上げることができます。
■ 耐震補強の最新技術
今回の地震でも多くの家屋の倒壊が見られ大きな被害が出ました。 以前にも時報紙で御紹介させていただいた東京大学の目黒先生によれば、総合的な地震防災力は、「被害抑止力」、「被害軽減・災害対応力」、「最適復旧・復興」の 3つによって達成されます。なかでも最も重要なのは「被害抑止力」であり、これがないと、いかに優れた事後対応システムや復旧・復興戦略を持とうが、地震直後に発生する構造物被害とそれに伴う人的被害を減らすことはできないのです。そしてこの「被害抑止力」を最も効果的に向上させる対策が既存の建物の耐震補強の推進ということになります。
私自身が力を注いでいる首都圏地震対策議員連盟では日々進化している耐震補強の最新技術について勉強を続けており、先進的な研究で成果をあげている企業の担当者から説明を受けています。例えば、①柔軟な繊維繊物を補強財として用いて鉄板と同等以上の効果を発揮するSRF工法、②耐力壁を建物全体に取り付けることで、精度の高い耐震補強を提供するガーディアンウォール工法、③筋かいと同等以上の水平力への抵抗力を持ち、直下型地震による突き上げについても有効な外付け工法であるDSG倒壊防止システム、④外壁をはがさずに耐力壁を構成する工法であるGD耐震補強システム、といったものです。
さらに首都圏地震対策議員連盟では「地域が進める耐震補強」というテーマで勉強会を開いています。そちらで取り上げた事例としては以下のものがありました。
まず、神奈川県の平塚耐震補強協議会の活動です。住民主導の耐震補強を推進し、地域の専門家達が協力し、 「まちづくりの会」のメンバーも加わって、体制を整えていかれました。「耐震後付ブレース工法」という独自の施工法では、耐震補強工事の必要な部分にワイヤーを取り付けることにより、強度を確保した上で従来の工法よりも工事が少ないにもかかわらず、光や風を遮らずにすむという利点があります。1ヶ所あたり20万円と比較的安価で工事ができることに加え、平塚市の耐震補強工事の助成対象工法になっており、工事費の半額、上限 50万円まで補助が受けられることも魅力です。2004年の3月からの問い合わせは150件を数え工事も70件完了しています。
また、 千葉県立市川工業高校では高校生達が地域の耐震診断を行っています。建築科に在学する2、3年生は市川市内の町内会などを対象に「木造住宅耐震チェック講座」を行うなど、木造住宅耐震診断のボランティア活動を続けてきました。この活動が高く評価され、「防災まちづくり大賞」の一般部門で消防庁長官賞を受賞しました。市川工業高校の取り組みは他の高校へも広がっています。
■ 耐震補強について知る機会を
我々は首都圏地震対策議員連盟の通常の活動を皆様に知っていただき、先進的な取り組みをしているところを紹介し、耐震補強についての知識を深めていただくために、震災対策出張研修会と題して埼玉、東京、千葉、そして神奈川でフォーラムを開催しようと企画を進めております。私も地元神奈川での開催に担当幹事として責任を持って取り組んでいます。以下の日時にて行いますので、一人でも多くの方々の御参加をお待ちしております。
6月11日 (月)午後2時~4時
横浜情報文化センター 情文ホール(参加費は無料です。)
横浜市中区日本大通 11番地 JR線、市営地下鉄線「関内駅」徒歩10分
みなとみらい線「日本大通り駅」地下連絡口直結
耐震補強は一軒だけが実施するのでは意味がありません。地域に住む住民が地域の防災を真に考え、連携して実施していく必要があります。私もその必要性を訴え続けてまいります。
