■一枚で三役
7月末に行われた参議院選挙では、自民党は大敗を喫しました。8月27日には内閣改造が行われ、少なくとも"仲良し官邸団"と揶揄された内閣の雰囲気とは違った内閣となりました。心機一転、これから改めて国民の皆様の信頼を回復していく歩みを進めていかねばなりません。
さて、その先日の参議院選挙ですが、本来選挙は政策を訴える重要な機会であるべきですが、今回は残念ながら充分その機能を果たさぬまま終わってしまいました。今回取り上げる社会保障電子カードもそういう政策の一つではないかと思っています。
■ ご協力を頂く理由
今回、社会保障電子カードの話は、年金を信頼できるものとするための議論から出てきました。つまり、年金の加入記録も自分自身できちんとチェックすることができればより安心だし、役所もいい加減なことは決してできないはずだ、というわけです。
例えば今回の年金の記録の不始末の件で、国会での野党からの質問や要請に、このようなものがありました。「この不始末は、社会保険庁が 100 %悪いのだから、役所が単独で処理をすべきで、国民に協力など求める筋合いのものではない」と言うのです。確かに大臣の答弁は「国民にご協力を頂いて、一刻も早くの解決を目指したい」というものでありました。しかしこれには理由があります。今回、存在が表に出てきた社会保険庁のヤミ協定の中に、「社会保険庁のコンピュータは、他のコンピュータとオンラインで結ばない」というものがありました。つまり、外部の情報は一切入ってこないシステムになっているのです。これは、社保庁の職員には、他の役所の影響を受けないので都合がいいかもしれませんが、せっかくのコンピュータの価値が半減です。例えば、住民基本台帳とも全くつながっていないので、年金受給者が引越をした場合、国民が届出をしてくれないと引越先の住所が分からない、ということになっているのです。また、結婚などされて、姓が変更した時も一緒です。地元の区役所に提出した情報を共有できないので、改めて年金用に再提出をお願いしなければならないことになっているのです。ですから、今のままでは、国民の協力、すなわち届出をしていただかなくてはどうにもならない状態なのです。
■ 様々な用途への可能性
自民党は今回の選挙の公約で、この実態を改めるため、その手段として、この社会保障電子カードを提唱しました。
まず、このカードの導入で、住民基本台帳と連携し、先程述べたような不都合を解消します。また、この一枚で、年金手帳、健康保険証、介護保険証の三役を担うことができます。もちろん、今後の議論次第では、病気の履歴のような個人情報を同時に書き込むことによって万一に備えるようになることも可能です。これも、単に紙に情報が記載されているのと違い、ICチップなので万全のセキュリティを確保することができます。偽造の心配やプライバシーが漏れる心配もありません。パッと見ただけでは何が書かれているか分かりませんし、コンピュータでも一人一人の暗証番号で守ることができます。
このような社会保障電子カードを平成23年度に導入するという公約を掲げさせていただいて参りました。このカードの導入で、様々な面で変化してくると思います。
写真を付ければ、身分証明証にもなるカード。これから議論を重ね、もっと便利にしていきたい、そして、実現させたいと考えています。
