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(2007/12/21  )
日刊人吉新聞(1991年4月17日)より

 

付加価値高めよ

  ~郡外に売り込む体制づくりを~

 

 球磨焼酎に最初に出会ったのは、昨年4月、初めて熊本市に来た時だった。私がいた東京では、球磨焼酎はほとんど知られていない。東京で焼酎と言うと、「さつま白波」「いいちこ」と「宝焼酎」となる。外国産という珍しさで、焼酎と言えば球磨焼酎よりは、韓国の「真露」の方がよっぽど有名である。

 

■球磨焼酎離れ

 県内の熊本市であっても、どの飲み屋にでも必ずある焼酎の銘柄は、残念なことに球磨焼酎ではなく「さつま白波」である。
 郡内でも、球磨焼酎の飲む量、回数は必ず減っていく傾向にある、というのが私の感想である。若い人の中で、球磨焼酎が本当においしいから飲んでいると言う人の数は減りつつある。今まで三回が三回とも焼酎であったのに、三回に一回ぐらいは、ワインや日本酒などおしゃれさを感じさせるアルコールに変わっていくことだろう。また、世間の流れとして、焼酎、ウイスキーから日本酒、ワイン、ビールへと嗜好が変わりつつある。郡外、郡内ともに球磨焼酎にとっては、厳しい状況である。では・・・
 現在、球磨焼酎の焼酎業界でのシェアは6%である。なぜ球磨焼酎は6%のシェアしかないのか、この点を徹底的に分析して、それに対する対応策を考え、打ち出していく建設的な行動が今もっとも必要ではないだろうか。
 まず、球磨郡内から外に進出することである。郡内の狭い市場を30数社で取り合いしているものだから、馴れ合いの状況も生まれる。また、他社の業績アップは、自社の業績ダウンになる。これでは、焼酎業界が揃って伸びることはあり得ず、足の引っ張り合いになるだろう。

 

■国際焼酎サミット

 そのためには、球磨焼酎のブランド化を図ることである。国際焼酎コンクールのようなものに、球磨焼酎が選ばれるならば、付加価値がつき、球磨焼酎が一つのブランドになる。現在、人吉・球磨は焼酎の里と言いながら、現在行われている球磨焼酎に価値をつける取り組みとは何だろうか。他の焼酎との区別化ができないと売り込みも難しい。
 そして、品質の向上も当然大事になる。味で勝負できる製品を作らなければ、外部への売り込みは無理だし、本当の発展は望めない。その点では、現在の温室のような郡内に他の焼酎が入ってくるということは、品質を考え直すいい刺激になると思う。
 このような意味で考えていくと、人吉・球磨で「国際焼酎サミット」を開催するのは一つの方法だろう。
 「国際焼酎サミット」が球磨焼酎にプラスに作用する点は、サミットの開催地としてのネームバリューと世界の焼酎の中心地というイメージである。国際焼酎コンクールがないのであれば、自ら作ってしまおうというのである。
 まず、日本人には珍しい海外の焼酎を紹介することで国内に話題を提供する。この付き合いで海外の焼酎メーカーと提携し、実際に海外への輸出も始め、「海外でも飲まれている日本の焼酎」という付加価値をつける。この会議は持ち回りにして、二年に一回でも行えば、その時には「国際焼酎サミット」での日本代表という実績が得られる。
 焼酎の新製品も、海外の酒造メーカーとタイアップして、例えば韓国の製造方法を導入した新製品などという形での話題づくりも可能である。

 

■基本理念を持て

 酒造組合についても触れておきたい。酒造組合は、メーカーの責任が明らかに分かるような形で、各メーカーが独自でも郡外に売り込めるような体制づくりを主に目指すべきではなかろうか。その結果、もし、メーカー数が減るのであっても仕方ない。優れたものが残るというのは、この世界のルールであるのだから。
 最後に球磨焼酎の各メーカーと酒造組合に御願いしたい。それは、焼酎業界の基本的理念をはっきり持って欲しいということである。どういう焼酎を造りたいのか、どういう経営をしたいのか、という核を持たないと、地に足をつけた展開が不可能になる。他人への説得も説得力に欠ける。売り込み時の魅力にもならない。伝統ある球磨焼酎である。これからも末永く球磨人吉の人々に愛され、誇りに思われる焼酎であるためにも、今は正念場であり、踏ん張るときではなかろうか。

 

 

日刊人吉新聞(1991年4月17日)より
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プロフィール さかい学

昭和40年9月4日生まれ42歳。
自民党衆議院議員。
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