ちょうどその日、NHKで特集をしていましたが、正直、大ショックを受けました。まさに大惨事に至る可能性があると感じたからです。
また、1月26日付の読売新聞の朝刊に、産業医科大学などを対象とした調査結果が掲載されていました。新型インフルエンザが流行したら、看護師の31%、医師の17%は転職をすると回答したそうです。最も必要とされる医療機関に人が足りなくなるとの予測が改めて裏づけされた形となりました。
■爆発的に感染する新型インフルエンザ
人が全く免疫を獲得していない新型インフルエンザは、爆発的に感染すると同時に高い致死率を示します。今想定されているのは、致死率60%以上とされているH5N1型の鳥インフルエンザです。若い年代ほど死亡率が高いのが特徴です。過去には4,000万人が死亡した1918~1919年のスペイン風邪、1957~58年に200万人以上が死亡したアジア風邪、1968~69年に100万人以上が犠牲になった香港インフルエンザなどがあります。このように限られた期間に感染症が大流行することをパンデミックと呼んでいます。H5N1型のインフルエンザはトリからヒトへの感染が主でしたが、これがヒトからヒトへの感染可能となるとパンデミックの発生ということになります。
■パンデミックへの対策
パンデミックが発生すると、空気感染でもうつると想定されているので、感染患者を隔離し、ワクチンを注射対応するしかありません。しかし、このワクチンはできるのに約半年かかるというのが専門家の見立てです。
政府も新型インフルエンザ対策行動計画を策定し、より具体的なガイドラインも平成19年3月に定めています。総理を本部長とする対策本部も設置することになりました。タミフルを中心とした抗インフルエンザウィルス薬も2,800万人分確保していく予定となっています。
しかし、これではまだ対策は不十分です。一つが冒頭に触れた医療従事者の逃避、減少の問題です。今のままでは、実際にパンデミックが起これば恐らくもっと多くの医療関係者が現場を放棄するでしょう。すると、今のガイドラインや計画の通りには事が進まなくなります。まず、新型インフルエンザ対策をきっちり研修させ、情報提供をすると同時に、彼らが自らへの感染リスクを負いながらも安心して行動できるようなインフラの整備、装備品の確保などを行っていくことが必要となります。
もう一つは、新型インフルエンザとはっきり断定される前の段階です。実はそれが大変大事です。放っておくと8日間で患者が14万人を超えるという想定がありますが、疑わしきは隔離をしなければ感染拡大は防げません。しかし、断定の前に、例えば隔離という身体移動の自由を侵害することはやはりガイドラインがなければ、市町村や病院や医師などが、独自の判断だけでできることではありません。この疑わしきをどうするかまできっちりと触れておく必要があると思います。
それから、新型インフルエンザの力を抑えることができるかもしれないプレパンデミックワクチンというものがあります。こういう型のものが流行りそうだなと考え、事前に作っておくものです。専門家によれば、1人分は1,200円以内でできるそうですが、日本には1,000万人分の備蓄しかありません。1億人分の備蓄をするには、単純計算するとあと1,200億円かかるわけですが、これも早急に議論し、決断していかねばならないことだと思います。
また、私たち一人一人が行う対策として、一軒ごとに食料・水の備蓄をしておく必要があります。パンデミックとなれば、物流その他がストップします。感染者は隔離されると同時に、非感染者は感染しないために、各自の自宅に閉じこもることになります。当然、水・食料が必要となるのです。
■できる限りの対策を
H5N1型もインドネシアや中国では共通の遺伝子を持つ肉親の間に限定されたものではありましたが、ヒトからヒトへの感染が確認されています。インドネシアでは約120人が感染し、100人が既に死亡しています。これがいつ、突然変異で全人類に感染するものになってしまうかわかりません。できる限りの対策をできる限り行っていくことが大切だと感じました。
