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(2008/06/ 1  その他)

 今年の通常国会は、6月15日の会期末まで残りわずかとなりましたが、この国会でぜひ成立をさせたいのが、国家公務員制度改革基本法案です。

 今年の通常国会では、道路特定財源に絡み、様々な問題点が明らかになりました。また、ヤミ専従(つまり、職員が職場に行かず労働組合運動に従事していた問題)が発覚した社会保険庁なども、職員の三層構造が問題だと指摘されています。これも踏まえ、キャリア制度の廃止と内閣人事庁の創設を二本柱に据えた改革案を、渡辺大臣は提出しました。

 今は、民主党との政策協議で内閣人事局と変更した上で、参議院で審議されています。

 

■現行のキャリア制度の廃止

 私が学生の時、何人もの友人が国家公務員試験を受けました。彼らは大学の成績と、当日の試験の点数を大変気にしていました。というのも、この二つの成績で入省後、ある程度の地位までのポストが確約されるのだそうです。あとは、大きな問題やミスを犯さないようにすれば、徐々にポストが上がっていきます。ならば、仕事も当然守りに入り、前例を引き合いに出してチャレンジをしなければいいわけです。しかし、それでは変わり行く社会に対応できません。役所が硬直化する一つの原因です。

 また、公務員の現場は、頑張ってしまえばキリや際限なく仕事が増え、徹底してサボれば極端に仕事が減るという仕組みになっているとのこと。法で守られているので、法律を犯すなどのことをしない限り、クビになることもありません。そういう環境の中でやる気をもち、努力する人間をきちんと評価していく仕組みにしていかねばなりません。民間では当たり前のことが、まだ充分生かされていないのでは、と感じます。これらを変えるためにキャリア制度を廃止し、勤務の人事評価に基づいた人事を行う制度に変えていきます。

 今回は、省採用をやめて、国が一括して採用するところまではできなかったわけですが、今後再び検討すべき問題だと思われます。

 

■内閣人事庁の創設

 よく省益という言葉が言われます。国の利益、国益よりも各自が所属している省益を優先している、と批判を受ける場面もあります。この意識を変えて、常に国益を考えてもらえるように、ということで創設を検討したのが、内閣人事庁構想です。

 実は、これは安倍内閣の時に成立した新人材バンク設立の法と関連があります。退職者に関しては新人材バンク、現役職員に関してはこの内閣人事庁です。どちらも今の制度は各省の幹部が段取りをしていますので、公務員は省しか見なくなります。再就職の面倒を見てもらえる○○省のために頑張ろう、とか、次にポストを上げてもらうには○○省の省益にしっかり貢献しないとな、などという感覚が働くのが、人間、正直なところでしょう。

 新人材バンクでは、各省がOBの面倒を見るのを禁止し、その代わり内閣で面倒を見るという風に変えます。こうすることにより、天下りという言葉が含む利権構造を伴う再就職をなくすことができ、一方で、国に対し忠誠心を改めて持ってもらうことができます。

 今回の内閣人事庁改め内閣人事局では、幹部の人事は省を超えて行われることになりますので、省への帰属意識から国への帰属意識と自然に変わるようになることが期待されます。その上、今までは省益だけが評価対象でしたが、内閣人事局での評価はそれのみならず、国益にどれだけ貢献したかが大事な要素となってきます。省益を主張し、国益を損なう人材は、評価は落ちてしまうわけです。

 

■公務員を誇れる仕事に

 最近、民間企業、特に中小企業がきつい中、優遇面が強調されたり、不適切なお金の使い方が明らかになり、公務員への批判が大変強くなっています。すべての公務員が悪いような報道まであり、真面目に働いている人も多数知っているので、よい制度ができれば、彼らもきっと報われると私は思っています。

 また、優秀な人材が国のために懸命に働いてもらわないと国の危機を迎えます。現実に今、一番優秀な人間は給料のいい外資に流れていると指摘されています。国家公務員という仕事が、職責上のうまみもなくなった上に国民から目の敵にされ、敬われなくなれば、若い人たちにとっても当然魅力はなくなるでしょう。待遇が良いところに流れるのも仕方がありません。ですからもう一度、国家公務員が国民の皆さんから期待され、頼りにされる存在となることが必要ではないでしょうか?そのためにも今回、しっかりとした公務員制度改革を行うことが私は必要だと考えるのです。

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プロフィール さかい学

昭和40年9月4日生まれ44歳。
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