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(2008/12/19  さかいの記事・報道)

PDF版が見たい方はこちら  さかい学の記事が12月19日付け朝日新聞に掲載されました。

カウントダウン 政治決戦 師走 上

 「麻生総理に対して厳しい意見があるのは、仕方がない部分もある。でも、金融機能強化法の成立など、経済立て直しに集中する姿勢は間違っていない」

 底冷えする14日午後、横浜市戸塚区のJR戸塚駅周辺。衆院神奈川5区の自民現職、坂井学氏(43)がコートも着ず、マイクに力をこめた。「本人」と書かれたのぼりや、演壇に使うビールケースなどが並んでいた。

 「11月解散・総選挙」の先送りが決まった後、自民党県連は、1期目の衆院議員を対象に、県議らが「遊説隊」として応援する新たな街頭演説を始めた。しかし、麻生内閣の支持率と同様、有権者の目は日に日に厳しくなっている。

 この日もビラ配布と演説を2時間。耳を傾け、ビラを取ろうとする人は少なかった。

 福田前首相の辞任で一気に高まった総選挙ムードは、今はない。坂井氏は「慌しさばかりで、地に足がついた政策議論が難しかった」と2ヶ月前を振り返りつつ、「今はいつ選挙があってもいいように活動するのみ」という。

 県内の自民党国会議員は麻生派が多い。県連は今月、麻生首相を起用したメッセージCMを作成。年明けに地元FMで流して「支える」姿勢を強調する。

 坂井氏は「定額給付金の早期支給を望む声は多い。首相の政策は悪くない。(首相の)だめな部分を少しでもよくしたい」と、逆風の転換も模索する。

 が、別の現職議員は「思い切った政策の実現で国民に評価してもらえないと、政権維持は厳しい」と、この間を振り返る。

 総裁選では麻生氏に投票しなかったが、決まった以上は支える姿勢でやってきた。「麻生カラー」を打ち出した景気対策もあったはずなのに、結果を出せていない。

 選挙区では臨戦態勢を続けているが、「今は中途半端。まずはやるべきことをやってからの話」。総選挙の顔としても期待した麻生政権発足直後の勢いはなく、出るのは苦しげな声ばかりだ。

   ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 一方、野党で政権交代に最も近い存在の民主も、攻勢の波に乗り切れていない。

 「政権交代を実現させ、暮らしの安心を取り戻す」。

 10月24日の連合神奈川の秋季総決起大会。県連代表の笠浩史氏(43)は間近とみられていた解散・総選挙を意識、こう訴えた。しかしその後、解散は先送りされ、戦略の練り直しを迫られた。

 笠代表は「選挙もせず、2次補正も出さない。経済が大変な事になっているのに政治空白が続き、与党は何も責任を果たしていない」と批判。「時間がたつにつれ広がる麻生政権への失望感を、民主への期待感に変えるよう各候補とも全力で走っていく」と意気込む。

 しかし、約2ヶ月前から急変した社会情勢に、候補予定者たちは、その流れに乗れないジレンマも感じている。

 新顔の1人は「社会保障や道州制など、大枠の議論にどこまで関心を持ってもらえるのか」と危機感を募らせる。

 10,11月は具体的な政策をもとに、政権交代をアピールしやすかった。あが、それも今は方向転換。党が掲げる雇用対策や子ども手当ての充実など、個別政策を訴える。

 でも、少し前に感じていた手応えにはほど遠い。

 「本当に暮らしが大変な人たちは、政治や選挙どころではないという空気を最近は強く感じる」

   ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 「11月解散・総選挙」といううねりが、うそのように静まりかえった師走。

 深刻な景気悪化と雇用不安という大波がこの社会を覆っている。しかし、来年9月までには政治決戦はやってくる。選ばれる側と選ぶ側、それぞれの今を追った。

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プロフィール さかい学

昭和40年9月4日生まれ44歳。
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